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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《随筆 宮本武蔵(ずいひつ みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,786 字 · 278 頁
――武蔵画を好み、海北友松に学び、或は牧谿を模倣し、道釈人物花鳥を能くす。
などと書いているのは、その方面にはまるで素人のわれわれが見てもいけないと思う。不親切な記載の仕方であろう。
ではいったい、武蔵は誰に依って、画を習ったのか。
再度、疑問が出ようが、武蔵自身が、あれほど明白に、五輪書の序文に「われに師なし」と云い、「――兵法の理をもつてすれば、諸芸諸能もみな一道にして通ぜざるなし」と書いているのだから、それを信じたらよいではないか。
また、あの五輪書の序は、その文にも見えるとおり、
兵法の道、二天一流と号し、数年鍛錬のこと、書物に書き顕はさんと思ふ。時に寛永二十年十月上旬、九州肥後の地、岩殿山にのぼり、天を拝し、観音を礼し、仏前に向ひて――
から書き起して、
天道と、観音とを、鏡とし、十月十日の夜、寅の一点に筆を把りて
と、敬虔そのものの相で書いていることばなのである。「われに師なし」の明言に、微塵の嘘もかざりもありようはない。剣道においても然り、禅においても然り、画においても同様だったとなぜいえないのだろうか。そう猜疑しては彼の画は分るまいと思われる。