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せいあどうきだん

青蛙堂鬼談

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《青蛙堂鬼談(せいあどうきだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 121,438 字 · 238 頁

青空文庫

祀るものは将軍すでに酔えりといい、それを盤にのせて湧金門外の金華太侯の廟内に送れば、たちまちにその姿を見うしなう。而して、その家は数日のうちに必ず獲るところあり、云々。――

これで三本足のがまの由来はわかった。それのみならず更に梅沢君をよろこばせたのは、その霊あるがまが金華将軍と呼ばれることであった。梅沢君の俳号を金華というのに、あたかもそこへ金華将軍の青蛙が這い込んで来たのは、まことに不思議な因縁であるというので、梅沢君はその以来大いにこのがまを珍重することになって、ある書家にたのんで青蛙堂という額を書いてもらった。自分自身も青蛙堂主人と号するようになった。

その青蛙堂からの案内をうけて、わたしは躊躇した。案内状にも書いてある通り、きょうは朝から細かい雪が降っている。主人はこの雪をみて俄かに今夜の会合を思い立ったのであろうが、青蛙堂は小石川の切支丹坂をのぼって、昼でも薄暗いような木立ちの奥にある。こういう日のゆう方からそこへ出かけるのは、往きはともあれ、復りが難儀だと少しく恐れたからである。例の俳句会ならば無論に欠席するのであるが、それではないとわざわざ断り書きがしてある以上、何かほかに趣向があるのかも知れない。