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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《青蛙堂鬼談(せいあどうきだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 121,438 字 · 238 頁
三
三
あくる朝は幸いに晴れていたので、わたしは早朝から支度をして、横田君と一緒に出ました。横田君も写真機携帯で、ほかに店の小僧ひとりを連れてゆきました。池の近所に飯を食わせるような家はないというので、弁当やビールなどをバスケットに入れて、それを小僧に持たせたのです。
三里ほどは乗合馬車にゆられて行って、それからは畑道や森や岡を越えて、やはり三里ほども徒歩でゆくと、だんだんに山に近いところへ出ました。横田君や小僧は土地の人ですから、このくらいの途は平気です。わたしも旅行慣れているので、別に驚きもしませんでした。小僧は昌吉といって、ことし十六だそうです。年の割には柄の大きい、見るから丈夫そうな、そうしてなかなか利口そうな少年でした。したがって、若主人の横田君にも可愛がられているらしく、横田君がどこへか出る時には、いつも彼を供に連れてゆくということでした。
「この昌吉も、ゆうべお話をした木像のモデルと同じような身の上なのです。」と、横田君はあるきながら話しました。「これも両親は判らないのです。」
昌吉という少年も、やはり捨て子で、両親も身もとも判らない。それを横田君の家で引取って、三つの年から育ててやったのだということでした。