輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《青蛙堂鬼談(せいあどうきだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 121,438 字 · 238 頁
「あぶねえぞ、気をつけろよ。水はまだほんとうに引いていねえのに、どの船もみんないっぱいだからな。」
平助じいさんは岸に立ってしきりに注意していると、古河の方から漕ぎ出した一艘の船はまだ幾間も進まないうちに、強い横波のあおりをうけて、あれという間に転覆した。平助のいう通り水はまだほんとうに引いていないので、船頭どものほかにも村々の若い者らが用心のために出張っていたので、それを見ると皆ばらばらと飛び込んで、あわや溺れそうな人々を見あたり次第に救い出して、もとの岸へかつぎあげた。手当を加えられて、どの人もみな正気にかえったが、そのなかでただひとりの侍はどうしても生きなかった。身なりも卑しくない四十五六の男で、ふたりの供を連れていた。
供の者はいずれも無事で、その二人の口から、かの溺死者の身の上が説明された。かれは奥州の或る藩中の野村彦右衛門という侍で、六年以前から眼病にかかって、この頃ではほとんど盲目同様になった。江戸に眼科の名医があるというのを聞いて、主君へも届け済みの上で、その療治のために江戸へのぼる途中、ここで測らずも禍いに逢ったのである。盲目同様であるから、道中は駕籠に乗せられて、ふたりの家来にたすけられて来たのであるが、この場合、相当に水練の心得もあるはずの彼がどうして自分ひとり溺死したかと、家来も