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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《魔術師(まじゅつし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 139,264 字 · 280 頁
だが、そんな悠長な順序を踏んでいる余裕がなくなった。俺の楽しみは薄らぐけれど、仕方がない。とうとう今夜、最後の幕を切って落したのだ。
サア、これで俺の云うことはおしまいだ。あとは、この扉の外へ、五十年前に貴様の親爺がやった様に、煉瓦を積んで、貴様達を生埋めにするばかりだ。
精々苦しむがいい。そして、俺の親爺の苦しみがどんなものであったかを、つくづく味って見るがいい」
悪魔の長談義が終ると共に、覗き穴の蓋がカチンと閉って、外には又しても、煉瓦積みの物音が始まった。
これで悪魔の復讐の動機が分った。彼の四十年の労苦も明かになった。だが悪魔はなぜか、彼の結婚について、その妻の死について、残された一人娘の文代について、何事も云わなかった。穴蔵にとじこめられた四人の者は、そんなことを疑っている暇もなかったが、考えて見ると、いくら復讐の為とは云え、可愛い一人娘を、平然として悪事の道連れにしている、源造の気が知れぬではないか。彼は娘がいとしくはないのであろうか。それとも、他に何か深い事情でもあったのかしら。針で突いた程の抜目もない悪魔のことだ。娘の文代についても、遡っては彼の結婚そのものにさえ、何かしら深い深い企らみが隠されていたのではなかろうか。