輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
線上閱讀小栗 虫太郎《黒死館殺人事件(こくしかんさつじんじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 296,741 字 · 584 頁
つまり、小胆で迷信深い犯人は、一度苦い経験を踏んで、たしか脅かされたに違いありません。ですから、昨夜は秘そり甲冑武者を担ぎ上げて、二旒の旌旗で問題の部分を隠したと云う訳なんですよ。ねえ田郷さん、確かこれだけは、風精が演じたうちで、一番下手な廷臣喜劇でしたね」
法水が語り終えると、検事は冷たくなった手の甲を擦りながら、歩み寄って云った。
「素敵だ法水君、君はトムセンどころか、アントアンヌ・ロシニョール(史上最大の暗号解読家、ルイ十三十四世に仕え、ことに僧正リシュリュウに寵愛せらる)だよ」
「ああ、それは風精の洒落じゃないか」法水は暗澹とした顔色になって嘆息した。「あの男は詩人のボア・ロベールから、暗号でもない『ファウスト』の文章で揶揄われたのだからね」
× × ×
こうして事件の第一日は、矛盾撞着を山のごとくに積んだままで終ってしまった。が、はたして翌朝になると、あらゆる新聞はこの事件の報道で、でかでか一面を飾り立てて、日本空前の神秘的殺人事件と、すこぶる煽情的な筆法で書き立てるのだった。ことに、事件の開始早々にもかかわらず、もう、愚にもつかない実際家出の探偵小説家を掴まえてきて、それにくだくだしい推理談的な感想を述べさせているところなどを見ると、降矢木一族の底知れない神秘