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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
線上閱讀小栗 虫太郎《黒死館殺人事件(こくしかんさつじんじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 296,741 字 · 584 頁
しかし、一方持分相続に関する禁制があるので、さすがに夫人も、それを明らさまにはいい得なかったのですよ」
その間レヴェズは、拳に組んだ両手を膝の上に置いたままで、凝然と聴き入っていた。が、相手の言葉が終ってからも、その静観的な表情は変らなかった。彼は冷たく云い放った。
「なるほど、動機はそれで十分。しかし、この際なにより貴方に必要なのは、僅った一つでも、完全な刑法的意義です。つまり、今度は犯罪現象に、貴方の闡明を要求したいのですよ。法水さん、あの鎖の輪のどこに儂の顔を証明出来ますかな。いかにも儂には、あの『予言の薫烟』が永世の記憶となるでしょう。また、虹を送って、儂の心を伸子に知ってもらおうとしました。だが、とうていそれだけでは、儂とメフィストとの契約が……。いや、恐らくいまに儂は、貴方の衒学さに嘔吐を吐きかけるに至るでしょう」
「勿論ですレヴェズさん、しかし貴方の詩作が、混沌の中から僕に光を与えてくれました。実は、この事件の終局と云うのが、あの虹に現われている、ファウスト博士の総懺悔にあったのです。いや、率直に云いましょう。勿論あの七色は、詩でも観想でもなく、実は、兇悪無残な焼刃の輝きだったのです。