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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
線上閱讀佐々木 邦《ぐうたら道中記(ぐうたらどうちゅうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 頁
尤も片手で結ばないと御利益がないそうだから多少難行に属する。しかもこのお呪禁を根気好く果してなお配達の間違のないように番地入りの名刺を添えた入念の向き/\が尠からず認められた。斯ういう連中は序に鹿の角細工を買って行くほど気が早いに相違ない。兎に角奈良は調法だと思った。一箇所で悉皆用が足りてしまうところはデパートメント・ストアを連想される。
ところ/″\に伊勢の内宮さんのに劣らない杉の大木が生えている。春日杉と言ってこの山のは特に名材だそうだ。現に先年倒れたのは大阪の商人が四万六千五百十二円に入札したと先刻から僕達の前になったり後になったりしている連中が話し合っていた。材木としての価値は兎に角立木として実に崇高なものだ。三輪さんは大木崇拝家だから伊勢では大喜びをして、「忝なさに涙こぼるゝ」というのはこの千古の神杉から受ける催眠術的暗示だろうとさえ解釈した。こんなことを思い出しながら手向山八幡へ辿りつくと、何があるのか人群りがしていた。
「喧嘩だ!」
と僕達の前の連中が駈け出した。成程、喧嘩も喧嘩、朱塗りの社殿を背景に一人の武士と二人の娘が斬合をして、尚お助太刀が二人抜刀で控えていた。