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ぐうたらどうちゅうき

ぐうたら道中記

佐々木 邦

線上閱讀佐々木 邦《ぐうたら道中記(ぐうたらどうちゅうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 頁

青空文庫

「一里八合は分ったが、そんなに松の木の間を歩いたって仕方がないじゃないか?」

「最早其処が二軒茶屋でございます。遊園地まで参って引き返しましょう」

と車屋が言った。

「何うだね? 少し休もうじゃないか?」

とお父さんが発起して、僕達は二軒茶屋へ寄り込んだ。

「お茶でしょうかね? これは」

と田鶴子さんは最初は躊躇したが、草茶といって薬ですと聞くと、無暗に飲んだ。僕も名物のおこしを夥か食べた。

又少時行ってから、

「坊ちゃん、太閤さんの御威光は素晴らしいものです。この辺の松は皆小さいでしょうがな?」

と僕の車屋が左側を頤でしゃくりながら話しかけた。

「小松ばかり生えているね」

と僕は又太閤が叱ったのだろうと思った。

「この辺を太閤睨みの松と申します。昔太閤さんが此処から朝鮮を睨みつけました。その御威光でこの辺の松ばかりはその頃の儘一向伸びません」

「蝉も鳴けん、松の木も睨まえちゃう、真正じゃおか知あん」

と田鶴子さんの車屋の呂律の廻らない男も感想を述べた。

遊園地から海岸へ出た。漁師が網を曳いていた。振り返ると松原の上から領巾振山が見下している。

「矢っ張り女性的な山ね」