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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
線上閱讀佐々木 邦《ぐうたら道中記(ぐうたらどうちゅうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 164,113 字 · 332 頁
湧きたてですから冬は朝など湯気の立つほど温かく、夏は又冷たいこと氷のようです。この水の影響で三島は冬暖かく夏涼しい。避寒避暑二つながらの好適地ですから、東京からの客が四時踵を接し、それが悉く諸君のように沼津で下りて旭自動車で此方へ来、又旭自動車で引返すようにと唯今も大社へ願をかけて参りました」
「何だい。水の説明だと思っていたら自動車の広告か? それにしても綺麗な川だ。『富士の白雪ゃ朝日で解ける、解けて流れて三島へ落ちる』という唄を君はよく歌っていたが、この水がまさかそれじゃあるまいね?」
とお父さんが交ぜっ返した。
「それさ。『三島女郎衆の化粧の水』さ。富士山に降った白雪が朝日で解けてこの辺の地底を流れていますから三島はこの通り水が豊富でかつ綺麗だという俗説です」
「面白いですな。然う説明すると詩趣があっていゝですよ」
と三輪さんが喜んだ。
「場所によると底を抜いた酒樽を埋めて置いても水がコン/\と湧き出します。とても水の豊富なところで、俗説にも多少の根柢がありそうですよ」
「とても箆棒な俗説ですな。一体富士から此処までは何里ありますか?」
と団さんはとても俗間有り合せの説明をそのまゝ受容れる人でない。