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それから
それから
線上閱讀夏目 漱石《それから》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 172,794 字 · 347 頁
代助は門野を相手にするのが面倒になった。
「宅へは行ったさ。――宅から使が来なければそれで、好いじゃないか」
門野は不得要領に、
「はあそうですか」と云い放して出て行った。代助は、父があらゆる世界に対してよりも、自分に対して、性急であるという事を知っているので、ことによると、帰った後から直使でも寄こしはしまいかと恐れて聞き糺したのであった。門野が書生部屋へ引き取ったあとで、明日は是非とも三千代に逢わなければならないと決心した。
その夜代助は寐ながら、どう云う手段で三千代に逢おうかと云う問題を考えた。手紙を車夫に持たせて宅へ呼びに遣れば、来る事は来るだろうが、既に今日嫂との会談が済んだ以上は、明日にも、兄か嫂の為に、向うから襲われないとも限らない。又平岡のうちへ行って逢う事は代助に取って一種の苦痛があった。代助は已を得ず、自分にも三千代にも関係のない所で逢うより外に道はないと思った。
夜半から強く雨が降り出した。釣ってある蚊帳が、却って寒く見える位な音がどうどうと家を包んだ。代助はその音の中に夜の明けるのを待った。
雨は翌日まで晴れなかった。代助は湿っぽい縁側に立って、暗い空模様を眺めて、昨夕の計画を又変えた。