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『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ
たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】
佐藤 春夫
線上閱讀佐藤 春夫《たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】(『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 23,182 字 · 48 頁
わたしはその少年には予め彼には用心すべきことを含めて置きました。この少年の方が彼よりもずっと悧巧であったから、別に間違いの生じないことは信じましたが、わたしはそれでも少年の保護を名として、いつも衆道家の企ての邪魔をしていました。わたしは少年とそんな交わりを結ぶためには、一体どんな風に持ちかけるものか、彼に聞いてみました。
「おもしろい秘密の倶楽部があるのや。そこの会員になるとおとなしくなって、人に好かれるようになる」
と、いうのだそうです。無論、少年は逃げまわって何事もありませんでした。ただ困ったことには、彼は少年がほしいというものがあると、わたしが物好きで集めて置いたちょっとしたものなどを、どんどん少年にくれてやってしまうのでした。ロシヤの大学生の制帽だの、ポスタアだの、珍らしい煙草のあき箱だの、いずれはそんな、無論、大したものでもなく、わたしにとってももう飽きてしまって持っていたのを忘れていたようなものばかりだったから大して差支えもありませんでしたが。
こんなことをして一年半ばかりもわたしは彼と同じ家にいました。このおもしろい天分を持った男は、そのうちに本を出したり、なかなかいい童話を発表したりしました。