輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しゅんきんしょう

ちくま日本文学014 谷崎潤一郎

谷崎 潤一郎

線上閱讀谷崎 潤一郎《ちくま日本文学014 谷崎潤一郎(しゅんきんしょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 85,196 字 · 169 頁

青空文庫

店員共よりも中前栽を隔てた奥の者が渡り廊下の雨戸を開けた時にまずその音を聞きつけたのである。奥からの注意で店員共が取り調べられ結局佐助の所為と分って一番番頭の前に呼びつけられ大眼玉を喰った上に以後は断じて罷りならぬと三味線を没収されたことは当然の成行を見た訳であるが、この時意外な所から佐助に救いの手が伸ばされたとにかくどのくらい弾けるものか聴いてみたいという意見が奥から持ち出されたのであるしかもその首唱者は春琴であった。佐助はこの事が春琴に知れたら定めし機嫌を損ずるであろうただ与えられた手曳きの役をしていればよいのに丁稚の分際で生意気な真似をすると憫殺されるか嘲笑されるか、どっちみち碌なことはあるまいと恐れを抱いていただけに「聴いてやろう」と云われるとかえって尻込みをした。自分の誠意が天に通じてこいさんの心を動かしたのなら有難いけれども多分一場の笑い草にしてやろうという慰み半分のいたずらであるとしか思えなかったしそれに人前で聴かせるほどの自信もなかった。しかし聴こうと云い出したからはいかに辞退しても許すはずのない春琴である