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しゅんきんしょう

ちくま日本文学014 谷崎潤一郎

谷崎 潤一郎

線上閱讀谷崎 潤一郎《ちくま日本文学014 谷崎潤一郎(しゅんきんしょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 85,196 字 · 169 頁

青空文庫

佐助は鯛のあら煮の身をむしること蟹蝦等の殻を剥ぐことが上手になり鮎などは姿を崩さずに尾の所から骨を綺麗に抜き取った〕頭髪もまた非常に多量で真綿のごとく柔くふわふわしていた手は華車で掌がよく撓い絃を扱うせいか指先に力があり平手で頬を撲たれると相当に痛かった。すこぶる上気せ性の癖にまたすこぶる冷え性で盛夏といえどもかつて肌に汗を知らず足は氷のようにつめたく四季を通じて厚い綿の這入った羽二重もしくは縮緬の小袖を寝間着に用い裾を長く曳いたまま着て両足を十分に包んで寝ねそれで少しも寝姿が乱れなかった。上気することを恐れるためなるべく炬燵や湯たんぽを用いず余り冷えると佐助が両足を懐に抱いて温めたがそれでも容易に温もらず佐助の胸がかえって冷え切ってしまうのであった入浴の時は湯殿に湯気が籠らぬように冬でも窓を開け放ち微温湯に一二分間ずつ何回にも漬かるようにした長湯をすると直きに動悸がして湯気に上りそうになるので出来るだけ短時間に煖まり大急ぎで体を洗わねばならぬかくのごときことを知れば知るほど佐助の労苦真に察すべしである。しかも物質的に報いられる