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しゅんきんしょう

ちくま日本文学014 谷崎潤一郎

谷崎 潤一郎

線上閱讀谷崎 潤一郎《ちくま日本文学014 谷崎潤一郎(しゅんきんしょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 85,196 字 · 169 頁

青空文庫

ことは蹠にてもよく分るなりさほど苦しくば正直に云うたらよろしからん妾とても召使を労わる道を知らざるにあらずしかるにいかにも忠義らしく装いながら主人の体をもって歯を冷やすとは大それた横着者かなその心底憎さも憎しと。春琴の佐助を遇することおおよそこの類であった分けても彼が年若い女弟子に親切にしたり稽古してやったりするのを懌ばずたまたまそういう疑いがあると嫉妬を露骨に表わさないだけ一層意地の悪い当り方をしたそんな場合に佐助は最も苦しめられた

○

女で盲目で独身であれば贅沢と云っても限度があり美衣美食をほしいままにしてもたかが知れているしかし春琴の家には主一人に奉公人が五六人も使われている月々の生活費も生やさしい額ではなかったなぜそんなに金や人手がかかったと云うとその第一の原因は小鳥道楽にあったなかんずく彼女は鶯を愛した。今日啼きごえの優れた鶯は一羽一万円もするのがある往時といえども事情は同じだったであろう。もっとも今日と昔とでは啼きごえの聴き分け方や翫賞法が幾分異なるらしいけれどもまず今日の例をもって話せばケッキョ、ケッキョ、ケッキョケッキョと啼く