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まんようしゅうか
万葉秀歌
斎藤 茂吉
線上閱讀斎藤 茂吉《万葉秀歌(まんようしゅうか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,820 字 · 427 頁
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宇治川を船渡せをと喚ばへども聞えざるらし楫の音もせず 〔巻七・一一三八〕 作者不詳
「山背にて作れる」歌の一首である。「渡せを」の「を」は呼びかける時、命令形に附く助詞で、「よ」に通う。一首は、宇治河の岸に来て、船を渡せと呼ぶけれども、呼ぶのが聞こえないらしい、榜いで来る櫂の音がしない、というので、多分夜の景であろうが、宇治の急流を前にして、規模の大きいような、寂しいような変な気持を起させる歌である。これは、「喚ばへども聞えざるらし」のところにその主点があるためである。
なお此歌の処に、「宇治河は淀瀬無からし網代人舟呼ばふ声をちこち聞ゆ」(巻七・一一三五)、「千早人宇治川浪を清みかも旅行く人の立ち難にする」(同・一一三九)等の歌もある。網代人は網代の番をする人。千早人は氏に続き、同音の宇治に続く枕詞である。皆、旅中感銘したことを作っているのである。
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しなが鳥猪名野を来れば有間山夕霧立ちぬ宿は無くして 〔巻七・一一四〇〕 作者不詳
摂津にて作れる歌である。「しなが鳥」は猪名につづく枕詞で、しなが鳥即ち鳰鳥が、居並ぶの居と猪とが同音であるから、猪名の枕詞になった。