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まんようしゅうか

万葉秀歌

斎藤 茂吉

線上閱讀斎藤 茂吉《万葉秀歌(まんようしゅうか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,820 字 · 427 頁

青空文庫

(巻十・一九五六)という歌の、「啼きてか来らむ」も、大和の方へ行くだろうというので、大和の方へ親しんで啼いて行く意となる。なお、「吾が恋を夫は知れるを行く船の過ぎて来べしや言も告げなむ」(巻十・一九九八)の「来べしや」も「行くべしや」の意、「霞ゐる富士の山傍に我が来なば何方向きてか妹が嘆かむ」(巻十四・三三五七)の、「我が来なば」も、「我が行かば」という意になるのである。

○

み吉野の山のあらしの寒けくにはたや今夜も我がひとり寝む 〔巻一・七四〕 作者不詳

大行天皇(文武)が吉野に行幸したもうた時、従駕の人の作った歌である。「はたや」は、「またも」に似てそれよりも詠歎が強い。この歌は、何の妙も無く、ただ順直にいい下しているのだが、情の純なるがために人の心を動かすに足るのである。この種の声調のものは分かり易いために、模倣歌を出だし、遂に平凡になってしまうのだが、併しそのために此歌の価値の下落することがない。その当時は名は著しくない従駕の人でも、このくらいの歌を作ったのは実に驚くべきである。「ながらふるつま吹く風の寒き夜にわが背の君はひとりか寝らむ」