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ちゅうせいのぶんがくでんとう
中世の文学伝統
風巻 景次郎
線上閱讀風巻 景次郎《中世の文学伝統(ちゅうせいのぶんがくでんとう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,977 字 · 230 頁
ながめやる山はかすみて夕暮の軒端の空にそゝぐ春雨
かすみくるゝ空ものどけき春雨に遠き入相の声ぞさびしき
雨はるる春の夕 晴れゆくか雲と霞のひまみえて雨吹きはらふ春の夕風
春風は柳の糸をふきみだし庭よりはるゝ夕暮れの雨
霞の月 何となく庭の梢は霞ふけて入る方はるゝ山のはの月
閨までも花の香ふかき春の夜の窓にかすめる入方の月
春の日 つばくらの簾の外にあまた見えて春日のどけみ人影もせず
春日かげ世はのどかにてそれとなく囀りかはす鳥の声ごゑ
夕の花 花のうへにしばしうつろふ夕づく日いるともなしに影消えにけり
つくづくとかすみて曇る春の日の花しづかなる宿の夕暮
吹となき霞のしたの春風に花の香ふかきやどの夕暮
夕立 山本の遠の日影はさだかにてかたへ涼しき夕立の雲
外山には夕立すらし立のぼる雲よりあまる稲妻の影
松をはらふ風はすそのゝ草におちて夕立雲に雨きほふなり
虹のたつふもとの杉は雲にきえて嶺よりはるる夕立の雨