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ふたつのじょぶん

二つの

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《二つの(ふたつのじょぶん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,903 字 · 236 頁

青空文庫

「しかし如何にすれば上手になれるかという事はもはや学でなくて術である」という記述などは、能知と所知との雑りやすい巧い例をとりあげたものであろう。

物理学は物の理を考える学問であるという常識論を吟味する場合に、物理学における物というのは、実は物ではなく、再現可能でかつ箇々の物質や物体を離れた物の概念である点を明らかにし、その例として前者には、幽霊と化学書にある稀有元素とをあげ、後者は比重を例として説明してある。「必要に応じていつでも吾人の前に再現され直接あるいは間接に吾人の感覚の窓を通して認識され得べき可能性を有する事が科学的論理的に証明され得る」ためには、幽霊は落第である。たとえ「ある時代においてすべての人が幽霊の存在を信じ」それが「一つの共通な認識(それは感性的でないとしても)の表現」となっていても、それは「感性を通して認識され、必要あらば自分の眼前に再現され得べしと信ぜらるる」稀有元素とは異なるのである。

物理学は物の学ではなく、箇々の物を離れた概念の学であるというような重要な点の説明に、比重のような簡単な物性がとりあげられているが、この著者によって解説された場合には、その説明が如何に生きて来るかを読者は理解されるであろう。