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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
線上閱讀小栗 虫太郎《人外魔境(じんがいまきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 101,713 字 · 205 頁
「来給えな」と言ったのも、上の空。おのぶの言葉も瞬後に忘れてしまったほど、心は、クルト・ミュンツァが住む高架線の下へ。
その後、彼とケプナラがイースト・サイドへ出掛けていった。
そこは、二十七か国語が話されるという、人種の坩堝。極貧、小犯罪、失業者の巣。いかに、救世軍声を嗄らせどイースト・リヴァの澄まぬかぎり、ここのどん詰りは救われそうもないのだ。
「ここが、二〇九番地だから、この奥だろう」
と、皮屋と剃刀屋のあいだの階段をのぼり、突き当りのボロ蜂窩へはいってゆく。
廊下は、壁に漆喰が落ちて割板だけの隙から、糸のような灯が廊下にこぼれている。年中、高架線の轟音と栄養不足で痛められている、裸足の子供たちがガヤつく左右の室々。やっと、さぐり当てたクルト・ミュンツァの部屋を、折竹がかるく叩きをした。
「入れ。誰だ、マッデンかい」
あけると、意外な男二人にオヤッと目をみはる。どこか悪いらしく寝台にねているミュンツァは、三十恰好の上品な面立ちの男だ。折竹が、来意を告げると踊りあがるような悦び。あのK・Mとは、やはりこのミュンツァ。
「ああ、来てくだすったですね。