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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
線上閱讀小栗 虫太郎《人外魔境(じんがいまきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 101,713 字 · 205 頁
これは、マルコ・ポーロ時代からひじょうに名が高く、すべてを焼きつくす恐怖的高熱度。砂は焼け塩は燃え、人畜たちまちにして白骨となるという、嘘も隠しもない世界の大驚異。ではその、見えない魔焔がどうしたというのか。折竹は言葉を次いで、
「つまり、僕の私見をいいますとね。あれは、地下の油脈から洩れる天然ガスだと思うのです。それが、塩沙の輻射熱でパッと燃えあがったやつが、ふわふわ浮遊して歩くのでしょう。ねえ、あの見えない焔はガソリンのお化――。高オクタン価八〇くらいの、おそらく航空用燃料としたら空前のやつが、あの地下には無尽蔵にあるのです」
見えない魔焔の正体が各国ともあせっている、高オクタン価の良質油とは。が、折竹の粟粒のような汗。ここが、助かるか助からないかの瀬戸際という意気が、目にも顔にも、燃えるように漲っている。案の定、セルカークは恍りとした声で、
「航空用良質油」
とたった一言、それを、折竹が追っかけるように、
「そこで、あの沙漠に噴出孔があるか、ないか。たぶん、地軸までもというような、裂け目があるだろう。多量の天然ガスを絶えず噴きだしている、地底までの穴がきっとあるにちがいない。