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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

線上閱讀小栗 虫太郎《人外魔境(じんがいまきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 101,713 字 · 205 頁

青空文庫

アジアの怒り

まさに、カリブ海の颶風の比ではないのだ。それは、という疾風の形容より、むしろもの凄い地鳴りといったほうがいいだろう。

飛ぶ氷片、堆石の疾走――みるみるケルミッシュに絶望の色がうかんでくる。

すると、この難関をあくまで切り抜けて、ぜひ魔境に入り九十九江源地の、Zwagri の水源をふさがねばならぬ折竹は……。しばし、目をとじていたが、ポンと手をうって、

「ある、名案がある」とさけんだ。

「えっ、一体どんなことがあるんだ?」

「それはね、氷河の表面をゆかず底をゆくことなんだ。たとえ、どんな大科学者がどんな発明をしようと、たとえば、千ポンドの錘りをつけようと、この風のなかは往けぬよ。しかし、氷罅をくだって洞を掘ったら、どうだ」

「なるほど」ダネックもともども叫んだのである。

「そうだ。表面氷河は氷斧をうけつけぬ。しかし、内部は飴のように柔かなんだ。掘れるよ。とにかく、折竹のいうとおり氷罅を下りてみよう」

やがて、青に緑にさまざまな色に燃える氷罅の一つを四人が下りていった。試しに氷斧をあてると、ボロッとそこが欠けた。

アジアの怒り

それは、大レンズのなかへ分け入ってゆくような奇観だった。