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しゅっけとそのでし

出家とその弟子

倉田 百三

線上閱讀倉田 百三《出家とその弟子(しゅっけとそのでし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 121,812 字 · 248 頁

青空文庫

痴と言おうか。稚と申そうか。なにしろ女遊びは火をもてあそぶよりも危険ですよ。

唯円 けれど真剣な事は皆危険なものではありますまいか。お師匠様も真理は身をもって経験にぶつかる時にばかり自分のものになる。信心なども一種の冒険だとも言えるとさえおっしゃいました。

僧三 お恥じなさい、唯円殿。(声を荒くする)あなたは女遊びと信心とを一つにして考えるのですか。

僧二 お師匠様の名によって、おのれの非を掩おうとするのは横着というものです。いったいお師匠様はあなたを買いかぶっていられます。あなたは寵に甘えています。

僧三 素性も知れない遊女におぼれて、仏様への奉公をおろそかにし、そのうえあれこれと小さかしく弁解する。いったいならただおそれ入ってあやまらねばならないところです。私たちの若い時には、このような所業をしたものは寺の汚れとしてすぐに放逐されたものです。

僧二 卑しい遊び女などの言葉をまに受けてたまるものですか。おめでたいといっても限りがある。たいていわかったことではありませんか。それ、下世話によく申す、「後ろに向いて舌をべろり」――このような言葉はあまり上品なものではありませんけれどね。