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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
線上閱讀南方 熊楠《十二支考(上)〔全2冊〕(じゅうにしこう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 290,735 字 · 566 頁
第二図ヒラコテリウムは、欧州と北米に、遺骨の化石を留むる下エオシーン期の馬で、前足に四、後足に三の趾ある事、大いに現存馬属諸種の足の端に、趾一つのみあると差う。この物は、狐より大きくなかったらしく、諸有蹄獣の元祖と見做さるる、フェナコズスを去る事遠からずというから、まずは馬類中のもっとも原始的なものであろう。
「第2図 馬の先祖ヒラコテリウム」のキャプション付きの図
第2図 馬の先祖ヒラコテリウム
現存する馬と同属ながら、過去世に栄えた現世化石となりおわったもの数あり。プレイストシーン期に、北米に棲んだ馬数種ありて南米まで拡がった。その遺骨が、今日アルゼンチナ等の曠野を駈け廻る野馬によく似居るので、この野馬は南米固有のものと説く人もあるが、実は西大陸にあった馬属は過去世全滅し、今ある所は、欧州人が新世界発見後持ち渡った馬が遁れて野生となった後胤だ。インドに化石を出すエクウス・シワレンシスが、アラビヤ馬の元祖で、欧州に化石を出すエクウス・ステノニスが、北欧およびアジアの小馬の遠祖だろうという。ただし、普通の馬と別ちがたい遺骨が、欧州とアジアのプレイストシーン層より出るを見れば、現存種の馬が始めて世に出たは、よほど古い事と見える。