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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
線上閱讀柴田 宵曲《古句を観る(こくをみる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 166,028 字 · 333 頁
、第3水準1-93-66)にそぐわぬ憾がある。雨を呼出す水※(「奚+隹」、第3水準1-93-66)は一番平凡かも知れぬが、それだけ無難だともいい得るであろう。
さはやかに身は藍くさし衣がへ 和風
重い綿入を脱いで袷に著更える。それだけでも爽快なのに、新しい著物と見えて藍の香がしきりに鼻をうつ。「くさし」という言葉は、いずれかといえば不愉快な匂の場合に用いられるようであるが、この句は必ずしもそうではない。強い藍の香もまた「さはやか」な感じの幾分かをつとめているのである。
化学染料の幅を利かす今日では、昔のような、爽な藍の香に浸ることは困難であろう。
娵ばかりそめ物くさしころもがへ 広房
などという句も、ほぼ同じところを覘っているが、これは人事的関係を取入れたため、複雑になったようでかえって俗に堕ちている。ひとり著る衣の爽なるに及ばざること遠い。
物拭ふ袖に紙あり衣更 其林
「物なくて軽き袂や更衣」とか、「袷著て袂に何も無かりけり」とかいうことは、明治以後の俳人もこれを詠んでいる。更衣をすました爽な心持からいえば、袂には一物もない方がいいかも知れぬが、一概にそうきめてしまうと、また一種の型に陥る虞がある。