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こじじゅんれい

古寺巡礼

和辻 哲郎

線上閱讀和辻 哲郎《古寺巡礼(こじじゅんれい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 143,765 字 · 285 頁

青空文庫

そこで前に引用した奏二林邑及呉楽一の呉楽を問題にしてみよう。呉楽は、すでに推古時代に、百済人味麻之が輸入したと伝えられているが、天平の呉楽と同一であるか否かはわからない。しかしとにかくここに林邑楽とならべられている呉楽は西域楽だろうといわれている。『大唐西域記』屈支(亀茲)国の条に「管絃伎楽特善二諸国一」とある、この伎楽が我が国に渡来した呉楽だというのである。腰鼓仮面の類は六朝以前のシナには全く伝統がなかった。そうしてそれは西域楽の特徴である。シナから伎楽が伝わったとすればこの西域楽のほかにないであろう。林邑楽は南から海を伝って来たインド楽であるから、それとならべられている呉楽は西から陸を伝って来た西域楽でなくてはならない。西域の伎楽は、西域の芸術がすべてそうであるように、インドやギリシアの影響からできたもので、仮面のごときもインドを通じてギリシアの伝統をうけたものと見られぬことはなかろう。仮面とさえいえばギリシアへ持って行くのを笑う人もあるが、ギリシア劇が北インドや中央アジアにはいったことは、後説に説くように、きわめてありそうなことなのである。