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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
線上閱讀海野 十三《地球盗難(ちきゅうとうなん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 頁
まざまざと起った現実の大異変だった!
ここで代志子坊やが声でもたてれば、さぞやお美代と大隅学士とを驚かしたことであろうが、幸か不幸か、このとき坊やは異変の為か半ば昏睡状態にあって、丘をすこし向うへ越えたあたりに巨大な手足を抛りだしたままグッタリとなっていた。
そのとき雑草の繁みを分けて、ひょっくり顔を出した者があった。見れば、熊かと疑うばかりに顔中鬚茫々で、その両眼は炯々として野獣のように輝いているという怪人物、身には汚れきった洋服を着、妙な長細い黒革作りの鞄を肩から吊るしたところの姿にはどこやら見覚えがあった。それもその筈、この怪老人は、武夫少年が雑草の中に姿を消したとき、林間からひょっくり顔を出した彼の怪人物だった。その名は辻川聖弦という、この矢追村の高台にある変な形の洋館に住まっている自ら哲学博士と名乗る人物だった。
「うむ。こいつじゃ、……」
怪博士は、この場の光景を見て低い声で呟くと姿には似合わぬ元気な足取りでもってツカツカと、昼寝をしている牝豚のような代志子坊やの傍に近づいた。そして暫くその様子を窺っていたが、やがて大きく肯くと、大入道赤ン坊の身体をやっこらさと肩に担いで、丘をフラフラと向うの方へ下りていった。