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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
線上閱讀海野 十三《地球盗難(ちきゅうとうなん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 頁
怪しきドクトル
「ドクトル、シュワルツコッフ?」
と、大隅学士は、岩蔵の顔を見詰めて、問い返した。
「そうです。シュワルツコッフです」
と、岩蔵はドキマギしている。
「辻川博士がいないことを云ったかネ」
「ええ、云いましたよ。するてえと、ちょっと愕いた顔をして、はるばる来たものだから、休憩させてくれというのでさあ」
「君はなぜ、本館の方へ行ったんだ」
「えッ、それは……それは何です。ドクトルが、もう一度、博士の部屋をよく見て来てくれ、もしかすると帰っていられるかも知れんから……というのです。それで私は、本館へ行って、博士を探してみたんですが、矢張り見えやしません。それだけのことですよ」
岩蔵は、そういってホッと溜息をついた。
大隅理学士は、それを聞いて、心の中に或る疑惑を持った。だがそれは面には出さず、それでは辻川博士に代って、シュワルツコッフに逢ってみようといった。岩蔵は肯いて、門の外に立っているドクトルを連れに行った。
「おお、わたくし、ドクトル・シュワルツコッフです。ドクトル辻川いない。残念です。彼、何処へ行きましたか」
と、大隅の前に立ったのは、鬚面に黒眼鏡を掛け、やや肥満せる身体を白い麻の洋服に包み、形のいいヘルメット帽子を被っている紳士だった。