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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《塔上の奇術師/鉄人Q(とうじょうのきじゅつし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 151,766 字 · 303 頁
」
刑事がしかりつけますと、あいては、こんどは、声をたてて笑いだしました。
「ホヽヽヽ……、あたし、ほんとうの女なのよ。小林さんと相談して、男に変装して、ずっとまえから、この庭の中にかくれてたんです。あたし、明智探偵の助手の花崎マユミっていうんです。」
「エッ、なんだって?」
刑事たちは、めんくらってしまいました。
「小林さんは、まだうちの中にいるんでしょう。あの人を呼んでくださればわかりますわ。おなじ明智先生の助手なんですもの。」
うそをいっているようにも見えませんので、ひとりの刑事が、うちの中へかけていって、小林少年をひっぱってきました。そのあとから、淡谷さんと、ほんものの一郎青年と、スミ子ちゃんまでついてきました。
スミ子ちゃんは、この夜ふけでもまだ眠らないで、おとうさんのそばにくっついていましたが、刑事から、庭にマユミさんがいるときいて、もうじっとしていられなくなり、おとうさんをひっぱるようにして、ここへ出てきたのです。
「アッ、マユミさん。そうです、この人は明智探偵の助手のマユミさんにちがいありませんよ。」
小林少年が刑事たちに、きっぱりといいきりました。