輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,314 字 · 398 頁

青空文庫

もしも自分が強い方の人であったならば、どのくらい気強く、肩身も広かろう。武術の勝負と女の操。竜之助のかけた謎が頑として今も耳の端で鳴りはためくのです。

邸で会った竜之助と、水車小屋の竜之助。その水車小屋では、穀物をはかる斗桶に腰をかけていた竜之助。神棚の上には蜘蛛の巣に糠のくっついた間からお燈明がボンヤリ光っていた、気がついた時は自分は縛られていた、上からじっと見据えた竜之助。

冷やかな面の色、白い光の眼、人の苦しむのを見て心地よさそうに、

「試合の勝負と女の操」

と言って板の間を踏み鳴らした。

それから、その時の竜之助の姿が眼の前にちらついて、憎い憎い念が、いつしか色が変って妙なものになり行くのです。

「お山の太鼓が朝風に響く時までにこの謎を解けよ」

という一言。それを思い出すごとにお浜の胸の中で早鐘が鳴ります。

その夜、竜之助は己が室に夜更くるまで黙然として、腕を胸に組んで身動きもせずに坐り込んでいます。

人を斬ろうとして斬り損じたこと、秘蔵の藤四郎を盗まれたこと、そのほかに、考えても考えても、わけのわからぬものが一つあるのです。与八をそそのかして、宇津木のお浜を縄にまでかけて引捕えさしたのは何のためであろう。