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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁
駕籠を守る兵馬は一人、それをやらじとする悪者は、松林の中から続々と湧いて来るようであります。
しかし、多勢もまた兵馬の敵ではなく、その神変不思議な一本の金剛杖で支えられて、近寄ることができないで、離れてしきりに噪いでいました。
兵馬とても、彼等を近寄らせないことはなんの雑作もないけれども、さりとて、遠巻きのようになっているところを、どこへどう斬り抜けてよいのだか、その見当はついていないのであります。駕籠屋は駕籠を担いだままで、ウロウロするばかり、逃げ出す勇気もありません。
「やい、しっかりやれ、敵はたった一人の痩坊主だ」
親方らしいのが、棒を揮って飛び出すと、それに励まされて丸くなった五六人が、兵馬を目蒐けて突貫して来ました。
兵馬はよく見澄まして例の金剛杖で、バタバタと左右へ打ち倒す時に、不意に松葉の中から風を切って一筋の矢が、兵馬へ向いて飛んで来ました。
危ないこと。しかし兵馬の金剛杖は、その思いがけない一筋の矢を、一髪の間に打ち落すことができました。
「この坊主は拙者が引受けるから、早く駕籠を片づけろ」
同じく松林の中から、覆面した袴の二人の姿が現われました。