輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁
初めは常の足どりで歩いていたのが、ようやく早足になりはじめます。
兵馬は後れじと和尚について走りました。あまりのことに、兵馬は和尚がどこへ行こうとするのだか尋ねる気にもなりません。
しかしながら和尚は、恵林寺へ帰るのでもなし、また尼寺へ立戻ろうとするのでもないらしく、甲州街道をどうやら勝沼の方まで出かけようとするらしいから、兵馬は怺えきれないで、
「老和尚、いったいどこへおいでなさるつもり」
と尋ねました。
「甲斐の国石和川まで」
「石和川というのは?」
「この川が石和川じゃ」
「その石和川へ何しに」
兵馬は、いよいよ解せないことに思いました。
「この背中にある女をそこへつれて行って、沈めにかけるのじゃ」
「沈めにかけるとは?」
「水の中へブクブクと沈めて、殺してしまうのだ、オホホ」
「エッ」
なんと下らないことを言う坊主ではありませんか。兵馬が驚くのも無理はありません。それを坊主は平気でオホホと笑い、
「何も驚くことはない、昔から例のあることじゃ、この石和川で禁断の殺生したために、生きながら沈めにかけられた鵜飼の話が謡の中にもあるわい。殺生も悪いけれど邪淫もよくない、女という奴、十悪と五障の身を持ちながら、あたら男を迷わして無限の魔道へ引張り込む、その罪は禁断の場所で鵜を使って雑魚を捕ったどころの罪ではない。