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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁
それですから別段に音も立てずに一尺ばかり開くことができると、直ぐに中へ入ってしまいました。
なんの苦もなく障子を開いて座敷へ入った姿を見れば、紛れもなくひとりの武士です。それも小身の侍や足軽ではなく、多少の身分ありそうな武士です。多少の身分のありそうな武士が、こんな挙動をして人の家に忍び入るのは似合わしからぬことであります。けれども似合わしからぬことを敢てせねばならぬほどの危急に迫られたればこそ、こうして忍んで来たものと思わなければなりません。お銀様が細目にして行った行燈の傍へ行ってそれを掻き立てた時に、頭巾から洩れる面体をうかがえば、それが神尾主膳であったことは、意外のようで意外でありますまい。
主膳はソロソロと昏睡している幸内の枕許へ寄って来て、その寝顔を暫らくのあいだ見ていました。そうしてニッとして残忍な笑い方をしましたが、背中を行燈の方に向けて、幸内の枕許へ立ちはだかるようにしてしまったから、何をするのだか挙動が少しもわからないが、ただ懐から縄を出して扱くような素振をしたり、またそこらにあったものを引き寄せるような仕事をしているうちに、寝ていた幸内が、