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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁

青空文庫

「さあ、同勢揃うたら、一刻も早く」

「かけ鳥の落ちて行く先は身延街道」

なるほど鷹狩には違いなかろうが、鷹狩にしては、あんまり慌しい鷹狩であります。これらの同勢十八人は、雪を蹴立てて驀然に代官町の通りから荒川筋、身延街道をめがけて飛んで行きました。

神尾主膳だけは残って、彼等の出て行く後ろ影を見送っていましたが、

「酒だ、前祝いの雪見酒」

神尾主膳はそれから酒を飲みはじめたが、雪見の酒よりか、何か心祝いの酒のように見えました。飲んでいるうちに、ようやくいい心持になって、

「おい、雪見だ、雪見だ、せっかくの雪をこんなところで飲んでいては面白くない、これから躑躅ヶ崎へ雪見に出かける、誰か二人ばかり行ってその用意をしておけ、下屋敷の二階の間を掃除して、火を盛んに熾して酒を温め、あっさりとした席をこしらえておけ」

と命令し、

「さあ、これから躑躅ヶ崎へ出かける。歩いて行くとも。いざさらば雪見に転ぶところまでも古いが、この雪見に歩かないで何とする。伴は一人でよろしい、仲間一人でよろしい。長合羽の用意と、傘履物」

主膳は立ち上って、

「刀……」

と言って、よろよろとした足許を踏み締めると、女中が常の差料を取って恭しく差出しました。