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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁

青空文庫

そういう言葉さえ余憤を含んでいるのが妙です。

「袖切坂……」

米友は、お角に聞かされた通り、袖切坂の名を口の中で唱えましたけれど、それは米友にとってなんらの興味ある名前でもなければ、特に記憶しておかねばならない名前とも思われません。

「ナゼ袖切坂というのだか、お前は知らないだろう」

「知らない」

「知らないはずよ、わたしだって、ここへ来て初めて土地の人から、その因縁を聞いたのだから」

お角は坂を見返って動こうともしません。米友もまたぜひなくお角の面と坂とを見比べて、意味不分明に立ちつくしていました。そこらあたりは畑と森と林が夕靄に包まれて、その間に宿はずれの家の屋根だけが見え隠れして、二人の立っているところには、「袖切坂」という石の道標に朱を差したのが、黄昏でも気をつけて読めば読まれるのであります。

「この坂で転んだ人は、誰でも、その片袖を切ってここの庚申塚へ納めなくてはならないことになっている。それを知っていながら、わたしはここで転んでしまった。なんという間の抜けた、ばかばかしいお人好しなんだろう、わたしという女は」

お角は、こう言って身を震わして焦れったがりました。