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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁

青空文庫

そうして裸体であるにも拘らず、脚絆と草鞋だけは着けていました。その上に釣合わないことは、背中に青地錦の袋に入れた長いものを廻して、その紐を口で啣えていました。

その小屋掛けから跳り出した時には、左の片手に短刀を揮って、右の片手はと見れば、それは二の腕の附根のあたりからスッポリと斬り落されて――いま斬り落されたわけではない、斬り落された腕のあとは疾うに癒え着いていましたが、

「どうでもしてみやがれ」

短刀を振り廻した左の手首にも血がついているし、面の眉間を少し避けたあたりにも血が滲んでいました。

「野郎、ふざけやがって……」

小屋掛けから一団の壮漢が、そのあとを追って飛び出しました。

それらの者を見ると、いずれも博徒であります。

喧嘩! というのはこれであった。つまり博徒の喧嘩なのであった。賭場荒しを取って押えて簀巻にしようとするものらしい。

この煽りを食って宇津木兵馬も、人波の中に揉まれていなければならなくなったし、奥方様という女乗物の一行が、まともにそれと打突かったのは気の毒でもあり、慮外千万な出来事でもありました。

「無礼者、控えろ」

お供先の足軽や侍が駈けつけました。