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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁
この時に牢番の小使が咳をしました。もう大抵、話すべき要領は尽きたと見えて、それを機会に話は切れてしまいました。
牢屋の形式は厳重でありましたけれど、中の見廻りはさほど厳重なものではありません。
牢番の小使の老爺に金をやって頼めば、大抵のものは調えてくれます、羽目の間から物のやりとりや、小さな声で話をすることなどは、ほとんど自由です。
宇津木兵馬は、ここへ囚われて来る時に金を持って来ませんでしたけれども、その後、誰ともなく金を差入れてくれるものがあると見え、その小づかいが二両三両と兵馬に手渡されます。それも五両差入れたものがあるとすれば、そのうち二三両ずつ、誰か頭を刎ねる者があるらしくありました。
誰が差入れてくれるのだか知らないけれど、兵馬はそれがために、大へんに便宜を得ました。望みの物を買ってもらうこともでき、同室の人に融通することもできました。多分、七兵衛の仕業でありましょう。
その兵馬は不幸にして、このごろ熱に冒されています。そうして枕が上らないでいるのを、例の同室の奇異なる武士が介抱していました。この奇異なる武士は、兵馬よりは先にこの室に入れられていました。