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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁
こうして今更、安房の小さいことを並べ立てるのは、背の低い人をわざと人中へ引張り出してその身の丈を測って見せるような心なき仕業に似ておりますが、安房の国の人よ、それを憤り給うな。近世浮世絵の大宗匠菱川師宣は、諸君のその三十五方里の間から生れました。源頼朝が石橋山の合戦に武運拙く身を以て逃れて、諸君の国に頼って来た時に、諸君の先祖は、それを温かい心で迎え育てて、ついに日本の政権史を二分するような大業を起させたではありませんか。それからまた、形においてはこの大菩薩峠と兄弟分に当る里見八犬伝は、その発祥地を諸君の領内の富山に求めているし、それよりもこれよりもまた、諸君のために嬉し泣きに泣いて起つべきほどのことは、日蓮上人がやはり諸君の三十五方里の中から涌いて出でたことであります。
「日蓮は日本国東夷東条、安房の国海辺の旃陀羅が子なり。いたづらに朽ちん身を法華経の御故に捨てまゐらせん事、あに石を金にかふるにあらずや」
日蓮自ら刻みつけた銘の光は、朝な朝な東海の上にのぼる日輪の光と同じように、永遠にかがやくものでありましょう。
その日蓮上人は小湊の浜辺に生れて、十二歳の時に、同じ国、同じ郡の清澄の山に登らせられてそこで出家を遂げました。