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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠6(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,112 字 · 362 頁
「あ、これだ、これに相違ござりませぬ、これは田村左四郎と申す某藩の士でござりまする。ああ、無惨なことを致しました」
兵馬は眉をひそめて、後ろ袈裟に斬られた田村の無惨な殺され方をながめていましたが、
「さて、もう一人はこちらに、真甲を割られている」
駒井は橋を渡り返して、かの船宿の前へ来て見ると、前に言う通り、真甲の傷を手拭で押えたまま、刀を投げ出して仰向けに倒れています。
「あ、これは多賀六郎と申す某藩の者、以前は蜊河岸の桃井の道場で、相当の腕利きでござりましたのに」
兵馬は、やはり無惨極まる思い入れで、その斬られぶりをよく見ておりましたが、
「して、もう一人、余語と申すやはり某藩の者がおりましたはず、その者の姿は見えませぬか」
と言って四辺を見廻しました。
「まだ一人あったとすれば、それは、やはり斬られているのか、逃げたか」
と駒井も不審がって、そこで三人が一緒になって、もう一人の行方を探そうとして、橋の方へ小戻りして来ました。
それから橋上へ取って返した時分に気がつくと、さいぜん橋の下までやって来た怪しの舟は、もう見ることができません。再び大川へ出てしまったのか、それとも橋をくぐって神田川を溯ったのか、いつのまにか見えなくなったけれど、それはこの場合、強いて探究してみなければならないほどのことではありません。