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たいしゅうぶんげいさほう
大衆文芸作法
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《大衆文芸作法(たいしゅうぶんげいさほう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,833 字 · 126 頁
……皇帝は大理石の廊下伝いに広間へ趣いた。宮中衛兵達は丈四尺もある長槍を立てて、まるで彫刻の様に粛然と二列に並んで立っていた。式部官が捧げて行く金襴で作ったコンスタンチヌス大帝の旗が、基督の頭文字を輝かせ乍ら、さらさらと鳴った。静粛官は行列の前を走り乍ら、手を振って敬虔なる静寂を命ずるのであった。
その他、半獅半鷲の怪獣の飾りのある神殿だとか、有名な浴場だとかの描写は何れも微細に亙っている。又、貴族の子弟がストイック主義に基いて教育せられ、固い寝床に寝せられる習慣、現代の人ほど裸体になることを恥としていない羅馬人の風俗等々、当時の生活状態は再び活々と浮び出される。
作者メレヂコフスキイが、かくの如く当時の空気を彷彿せしめることを得たのは、一つには彼が南欧地方を巡遊したと云う経験を持っていたと云うことにもよるであろうが彼の学究的態度なり、その深奥な考証的知識なりは実に感嘆すべきものである。メレヂコフスキイを以て、二十世紀の歴史小説の大家とする所以も亦、ここにある。メレヂコフスキイは哲学者であり、宗教家である。又、詩人としての感情も、小説家としての立派な能力も持っているけれども、一八九五年に古代羅馬を描き出すには、それ等のものだけでは不充分である。