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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《奇談クラブ(全)(しんきだんクラブ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 104,139 字 · 208 頁

青空文庫

そして、礼子さんの身体が、同時に二箇所に現れたのは、何ういうわけなんだ。さア、隠さずに皆んな話してくれ」

私は本当に果し眼で女に迫りました。

間に卓子があったとは言っても、手を延せば互に届くところ――曽つて二人は、この卓の上へ両方から手を延べて、果てしもない恋の遊戯に耽った場所です。

「…………」

「此処に丁度丸茂三郎が掛けて居た椅子がある。――あの中に凭れて、可哀想に死んで居たじゃないか――誰があれを殺したんだ。礼子さん、それを教えてくれ」

私の指は部屋の一方に据えた革皮の椅子を指しました。礼子の瞳は私の指先を追うともなく動いて、一寸その表情は硬ばりましたが、すぐほぐれるようにニッコリして、

「ホ、ホホホホ、まア、私に殺したって白状させる積りらしいワね」

「…………」

明るい電灯の下に、その豊麗な顔を振り仰ぎました。

「だけど、何時までも気をもませるのもお気の毒だから、思い切って白状して上げるワ」

「何?」

次第にぞんざいになる言葉の奥に潜んだ恐ろしい意味は、頭から冷水を注ぎかけたように私の身体を粟立たせます。

「その前に、今まで可愛がって頂いたお礼に、教えて上げる事があるワ。