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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《妖虫(ようちゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 頁
燃える迷路
パチンと電球の割れる音、わめき騒ぐ人々の声。
唯一の電燈を奪われた見世物小屋は、今やあやめも分かぬ闇と化した。他の電燈を点じようにも、スイッチのありかが急には分らぬ。
だが幸いにも、警官達はてんでに懐中電燈を用意していた。入口からここへ来るのにも、その懐中電燈をソッと照らして、竹藪の迷路を辿って来たのだ。
「逃がすなッ」
「誰か入口へ廻れッ」
「電燈のスイッチはどこだ」
などの怒号が暗闇に交錯した。懐中電燈の光芒が小さな探照燈の様に入り混れた。
燃える迷路
アッと思う間に、短劒が一閃して、老探偵の腰のあたりを、したたかに撃った。三笠龍介氏は痛手に耐え兼ね、賊に擬していたピストルを取落し、うめき声を立てて、その場に倒れる。
二人の賊は、得たりとばかり、警官の手を振りもぎって、いきなり、たった一つの電燈を叩き割ってしまった。広い竹藪の迷路は、文目も分かぬ闇となった。
守青年と四人の警官とは、懐中電燈の光をたよりに、竹藪の中を走り廻って賊を追ったが、昼間さえ人を迷わす八幡の藪知らずだ。それを、この闇の中、慌てる程方角を失って、捕えて見れば味方同志の鉢合せであったりして、どこへもぐり込んでしまったのか、賊は容易に逮捕出来なかった。