輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《妖虫(ようちゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 頁
アア、よかった。第三の被害者は命拾いをしたのだ。品子さんはかすり傷一つ受けないで、ちゃんと生きていたのだ。だが、それではどうもおかしいではないか。その夥しい天井の血潮は一体どこから流れたのだ。若しかしたら、品子さんではない別の人物が、屋根裏で惨殺されているのではないだろうか。それについて、第一番に不審を抱いたのは、赤蠍の殿村夫人であった。彼女は夢でも見ているのではないかと疑う様に、キョロキョロとあたりを見廻していたが、やがて、堪りかねたのか?
「信じられない。私には分らない。一体何が起ったのだろう」
とうつけの様に呟くのであった。
「信じられんかね」
三笠探偵は、赤蠍の狼狽を小気味よげに眺めながら揶揄した。
「ハハハハハハ、魔術師が魔術にかかったという訳じゃね。流石の手品使いも、他人の手品の種は分らんと見えるね。お前は気づかなんだのかね、さい前わしが、品子さんの飼猫に引掻かれたと云って、手首から血を流していたのを。あれが手品の種なんじゃよ。わしはその猫をとっ捕まえたのだ。そして紐で縛りつけた上、可哀相じゃが、ちょっと息の根を止めて置いたのだよ。これはあの時、猫めが死にもの狂いで引掻きよった傷じゃ。