輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
やまうらきよまろ
山浦清麿
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《山浦清麿(やまうらきよまろ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 45,573 字 · 91 頁
二
(剣工! ああ、よくもおれは、この天職を掴み取った。そうだ、日本の剣工でなけれやいけない)
ここへ、来る前の彼と、帰ってゆく時の彼とは、姿は同じでも、既にちがっていた。
礼をのべて、帰る際に、象山へ、
『お座右へ置くには足りませぬが、いずれ一口、その心をもって鍛ったものを持って参りまする』
と約して別れた。
二
――その戻り道。
木挽橋の上で、ちらと、摺れちがった年増の茶屋女風の女が、
『――あらっ?』
と、往来の人の間から、軽い驚き声を投げた。
振顧って、清麿はハッとした。別所で別れたお寿々だった。
橋向うまで馳けて、そこの辻駕へ飛び乗った。
行く先も云わずに乗ったので、駕屋は、
『旦那、急げ急げって、何処まで行くんです』
『柳橋辺りでいい』
つい、云ってしまった。
いつも飲む家の門である。――どう自分の天職に自覚を持っても、酒だけは、だめだと思った。酒とは、終生、縁が切れそうな自信もない。
『ああ、何日か会うものだなあ』
お寿々を頭に描きながら、その日の帰りも、深酔いして、家へ戻ると、夕闇の畳の上へ、ごろりと転寝をしてしまった。
と、勝手の方で、
『清人さん。