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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《年中行事覚書(ねんじゅうぎょうじおぼえがき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 135,005 字 · 262 頁
四
。東田川の村々でも、やはり屋ぐらを設け燈籠をつり、子供ら食物を携えて来て、夜遅く迄その上で遊ぶことは同じで、七日の朝はまたこの飾り物を、川へ流しに行きかつ水泳ぎをする。そうしてこの日の朝に限って、川に薬水が流れるということは(郡誌)、嶺を隔てた会津の耶麻郡も同じである。
四
秋田県に入ると、平鹿郡横手の町のネブリ流しがまず有名である。これは旧暦七月六日の夜、藁で作った二間ばかりの舟に、満船蝋燭を点したのを各町から出し、それにこの土地ではネブタの木という合歓木かまたは竹へ、短冊形の色紙と燈籠とを付けたのを持った青年が多く付添うて、旭川の川原まで持出し、花火を揚げたりいろいろと景気をつけた後に、川へ流すのである。近郷近在より多数の見物人集まり来り、その賑かさ十六日の送盆に次ぐとある(横手郷土史)。すなわちこの土地では盆の後先に、両度の燈籠送りをしているのである。
それから仙北郡には大曲のネムリ流しがある(月の出羽路九)。生保内村のネブタ流しは、入込んだ山寄りの村だけに、その行事がずっと質素で、竿燈などという飾り物はない。日は一定せぬらしいがほぼ同じ頃と思われる。