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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
線上閱讀蘭 郁二郎《怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像(あしのうら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 109,233 字 · 223 頁
あたりはまるで太陽からの光線が、一つ一つ地面に泌入る音が聴えるほどの、俄つんぼのように静まりかえった眺めであるし、吹く風すらも私の耳に柔かいのだ。自分自身を持てあました私は、許すかぎりの時間を散歩にまぎらわし、なおその上、話し相手ほしさに、飢えて居たのであった。
その頃だ、奇人、森源を知ったのは――。いささか前置きが長すぎたようであるが、その頃の私の退屈を知って置いて頂かないと、当時、誰一人として相手にしなかった森源と知り合いになったということが、どうも不自然のように思われはしまいかと惧れるからである。
森源――というのは綽名で、実は森田源一郎というレッキとした名があるのだが、村人は誰も森源、森源、といっていたし、なんだかその方が彼の風貌をしっくりと表現するような気がし、私も口馴れたその名を呼ぶことにする。
奇人森源についての、村人の噂は、或は隠れた大学者だともいい、或はただの、寧ろ狂人に近い変人なのだともいうけれど、いずれにしても、村人とは絶えて交際しない『変り者』であるということだけは一致していた。
その、森源の家は私の借りていた家から四五丁はなれた、低い谷間にあって、この辺では珍らしい洋式を取り入れた建て方のものであった。