輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

わがあいするしじんのでんき

我が愛する詩人の伝記

室生 犀星

線上閱讀室生 犀星《我が愛する詩人の伝記(わがあいするしじんのでんき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 116,728 字 · 231 頁

青空文庫

て、居睡りをつづけていた。部屋では仕事をしながら私はそれを見て、或るしめくくりに達しるまで原稿を書いていた。三十分も書きつづけて庭に眼をやると、立原は長い脚をそろえて、きちんと腰をおろしてやはり眼をつむっていた。いつ来ても睡い男だ、そよかぜが頬を撫で、昏々と彼はからだぐるみ、そよかぜに委せているふうであった。

仕事が終ると私は庭に下りて行くが、立原は気づかずに未だ居睡りをしていることもあり、すぐ、ぽかりと眼をひらくこともあった。居睡りが続いていると私は近くに寄って行き、突然、わあ、と言って脅かすことがあった。当時、私は年下の友達が来ると、油断を見すましてこの、わあ、という懸声をあげるくせがあった。立原もこの癖をうまく利用して、泊った折々の晩なぞ、散歩のかえり道などで、暗い処にかかると、わあと言って突然飛びかかる真似をして見せた。だから、お互にこのわあという懸声をする瞬間をさがしている、瞬間のつづきのある日もある程だった。

立原は五尺八寸もあったが、色が白くクリクリした小気味の好い顔立の美青年型で、黒の服の前の釦が六つついていて、それが彼の発明装服の飾りでじまんの釦だった。