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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
線上閱讀室生 犀星《我が愛する詩人の伝記(わがあいするしじんのでんき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 116,728 字 · 231 頁
そのたびに堀の病状を訊ね、昨日は少し快かったとか、今朝は少し熱があったとか聞くと、態々出かける必要もなかった。それにたえ子は東京から雑誌社の方が見えても、追分には寄らないよう言ってください、お仕事のことや人に会うと亢奮して発熱するから、お宅でくい止めてくれといわれた。私はそこで雑誌社の人や本屋さんには、堀の処に寄らないように頼んで言った。たえ子は私にも見舞に来てくれるなと言い、あなたがいらしったら堀は気をつかうし、何か改まるような気持になるから、入らっしゃらないで下さい、軽井沢においでになるのだしお隣にいらっしゃるも同様ですから、ほんとに入らっしゃらないでくださいと、きつく一大事件のようにくい停めるのである。
私に「堀辰雄に会はざるの記」という一文があるが、そこにも堀が私に会うことを憂鬱がっていること、たえ子がそれを懸命に停めていることが記されている。――※(始め二重山括弧、1-1-52)私は久しく行かないから近い内にお訪ねしますと、たえ子が来たときに言おうものなら、それこそ、たすけてくれといわんばかりになり、たえ子はほんとに入らっしゃらないでください、お構いも出来ないのに、堀のことなら、あれ出せ、これ出せ、お茶をもっと濃くいれなさいなどと気を揉むにきまっていますから、後で疲れて熱を出すようなことになり