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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 180,256 字 · 361 頁
序
序
民衆の上にある英雄と、民衆のなかに伍してゆく英雄と、いにしえの英雄たちにも、星座のように、各※(二の字点、1-2-22)の性格と軌道があった。
秀吉は、後者のひとであった。
生れおちた時から壮年期はいうまでもなく、豊太閤となってからでも、聚楽桃山の絢爛や豪塁にかこまれても、彼のまわりには、いつも庶民のにおいが盈ちていた。かれは衆愚凡俗をも愛した。
かれは自分も一箇の凡俗であることをよく弁えていたひとである。かれほど人間に対して寛大な人間はなかった。人間性のゆたかな英雄はと問えば、たれもみなまず指を秀吉に屈するのも、かれのそういう一面が、以後の民衆の間に、ふかく親しまれて来たからではないだろうか。
おそらく秀吉への親しみは、この後といえどかわるまい。理由はかんたんである。かれは典型的な日本人だったから。そして、その同身感から好きになる。わけてかれの大凡や痴愚な点が身近に共鳴するのである。
日本人の長所も短所も、身ひとつにそなえていた人。それが秀吉だともいえよう。かれの長所をあげれば型のごとき秀吉礼讃が成り立つが、その方は云わずもがなである。われわれが端的に長所をかぞえたてたりすれば、かえって彼という人間の規格は小さくなる。