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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 190,406 字 · 381 頁
どこに迅速があるか、常時の備えがあるか。二十日近くもかかって、まだ一間の塀すら立っていないではないか。土塀下の石崩れの修築が手間どるとお云いだろうが、そんなことで、城普請は陣中の軍律も同様だなどと、広言を吐くのは、身の程を知らなすぎる。――この藤吉郎が敵国の間者なら、虚をついて、この口から討って入るでござろう。左様なことが突発せぬから、悠々と、隠居の茶席普請のようなことをやっておられるが、危うい限りである。御城内へ出仕するわれわれにとっても、毎日、足もとが悪くて迷惑至極だ。その通行を咎めるよりも、よく御評議あって、工事の進捗を早速になされよ。――よろしいか、お奉行のみでなく、組下の与力衆も、また棟梁どもにおいても」
説諭である。
まるで一場の訓示だ。
云い終ると、彼は、
「いやどうも」
と、朗らかに笑った。
「――どうもつい、思う通りなことをいってしまって、失礼いたした。これも朝夕、御奉公大事と思う、お互い様のことでな。……いや、お邪魔いたした。いつのまにか、暗くなりましたぞ。もはやお引揚げであろう。お先に失礼いたします」
奉行以下一同が、あっけにとられているまに、藤吉郎は、さっさと、城外へ帰ってしまった。